フォトギャラリー ヨーロッパ編2

ウイーン

オーストリアのウィーンにやって来た。冬のヨーロッパ特有の低く垂れ込めた鉛色の空がお出迎え。どんな光景に出逢えるか今から期待に胸が膨らむ。一見して欧州観光へ誘うようなベタな写真ではあるが古えのハプスブルグ王朝の栄華を彷彿させ、街の風情を醸し出していることは確かである。
ウィーンの街の至る所にこのような小径が存在する。市井の人々の生活を支え、体でいうところの毛細血管のような働きをしているのだろう。移ろいやすい夕刻に往来を練り歩く。ふと洒落た雰囲気のレストランが目に止まり誘われるままに店内に。まずはワインで喉を潤すとしよう。
ウィーン名物のシュニッツェル。豚肉を薄く叩いて揚げたカツレツでシンプルではあるが肉の旨味が衣によって封じ込められ美味であった。世紀末分離派を代表する画家であるグスタフ・クリムト。耽美と妖艶さを併せ持つ彼にしか表現できないミステリアスな世界へ思わず引き込まれる。
小学生時分社会の教科書で見た絵が今そこに現在していることに不思議な感情を覚えてしまうのは私だけではないはずだ。クリムトと並んで分離派を代表する画家エゴン・シーレ。鬱屈とした感情と情念をキャンパスに向けた夭折の芸術家である。
分離派の雄オットー・バーグナーの代表的作品パビリオン・カールスプラッツ。シンメトリーなフォルムと質実剛健な意匠とが相まって荘厳な雰囲気を放っている。いつか夢の中でこんな通りに舞い降りたような不思議な感覚に襲われる。そしてその夢の中の老婆が何やら啓示めいたことを囁くのである。
カーレンベルクという高台からウィーンの街を一望する。歴史あるオーストリアの大都市はこの先どう変貌していくのか?それとも否か?ヨハンシュトラウスの美しき蒼きドナウで有名なドナウ川。冬のドナウに数羽の白鳥が佇む。仄かに哀愁を漂わせ、川は滔々と静かに流れていく。
ユニークな現代建築家フンデルトバサーのアパート群。一見奇抜ともいえる様式は19世紀初頭のビーダーマイヤーの遺伝子を受け継いだ賜物と確信する。ウィーン中心部のステファンスプラッツの街の一角。魅惑的なネオンの灯が幻想を掻き立て一つのシーンを紡ぎだす。
早朝ステファン寺院を眼前に仰ぎ見ることのできる部屋でしばし寛ぐ。さあ今日は何処でどんな出会いがあるだろうか?ウィーンの美術館はどこも伝統と格式を兼ね備えた威風堂々とした佇まいである。コレクションにおいても言わずもがなである。
世紀末分離派はデザインにおいても秀逸である。バーグナー、コロマン・モザー、ヨーゼフ・ホフマン、オスカー・ココシュカ等、枚挙に暇がない。ファザードにある巨大なペルシャ絨毯に身を寄せ何やら調べものをする女性。この普段使いの感じが心地良い。
市庁舎前のリンクで老若男女を問わずスケートを楽しむ。何処からかマライヤ・キャリーのクリスマスソングが聴こえて来そうだ。フォールを席捲するクリムトの大作ベートーベンフリーズ。どうしたらこんな発想が湧くのか・・・只々圧倒されるばかりである
陽も沈み王宮前を人が足繁く行き交う。声高に世界遺産をうたわず生活の中に取り込んでいる様に毅然とした見識をみる。ビストロでビールやワインで話に花を咲かす人たち。何処でも目にする光景である。国は違えど結局皆一緒なんだなと思う。
ステファン広場で佇む二人の若い女性。時が移ろい人が移ろう流れ中に今まさに自分もいることを実感する。いろんなシーンに出逢ったウィーンでの8日間。芸術の都の名に相応しい数々の作品群が自分に新たな刺激を与えてくれました。Danke

デンマーク

今回の訪問先はデンマークである。北欧に属するこの国は幾多の戦火にまみれながらも独自の美意識と巧みな商魂で街を構築していった歴史を持つ。コペンハーゲンの観光スポットであるニューハウン。かつては船乗りたちの居酒屋街として賑わっていた。カラフルな建物が青い空に映えてとても綺麗だ。
通りに軒を連ねるカフェ。どのお店も派手さはないが瀟洒な造りがゆったりとした雰囲気を醸し出している。実は画面の右隣にかの有名な人魚の像があるのだが、それに群がる観光客を尻目に遊びに興じる赤いパーカーの兄弟が妙に印象的に映った。
コペンハーゲンは自転車で回れるくらい小じんまりとした街で、ご婦人もしばし小休止といったところか。実にゆったりとした時間が流れている。突然暗雲が垂れ込めてきて劇的なまでに空の表情が変化する。時々こんな光景に遭遇したが実にフォトジェニックだ。
何処を撮っても絵になりそうなコペンハーゲンの町並み。それだけにカメラマンである小生としては吟味を疎かにできないが、併せて瞬発力も必要なのだ。オーデンセに向かう車窓からの一コマ。今にも泣き出しそうな空の下、一人の少女が足早に通り過ぎる。何気ない情景にシャッターが押せた。
何やら工事に勤しむ市井の人。その奥に尋常じゃない程に歪んだ家屋。まず手を着けるのはこちらの方なのではと門外漢は訝しむ。 
          失敬
回廊を上っていると何処からか二人の天使が降臨。この上ない笑顔とポーズで答えてくれる天使たちに思わずシャッターを切る。
ラウンドタワーから市街を望む。景観に配慮して高層階の近代建築物もなく古えの佇まいを今に残す。これが人をして北欧のパリと言わしめる所以である。ラウンドタワーの屋上売店で女優サンドラ・ブロック似のお嬢さんを発見。ショーケース越しでカメラに気付いていないが故に、さりげない美しさが漂う。
週末は其処かしこでフリーマーケットが催される。どんな掘り出し物に出逢えるか興味津々である。細やかであるが、こんな時に幸せを実感するのは私だけか。とある協会での結婚式に偶然出会う。新婦や親族の慶びの瞬間に立ち会い祝福を込めてシャッターをを切る。
Conglturation!
何やらスマホに夢中な光景は洋の東西を問わず見慣れた光景だが、北欧のデザインがあしらわれた空間では一つ絵として確立している。国立美術館にてロスキレという町でのスナップショット。赤い車に追い立てられる赤い装束の叔母さんのようであるが、ご安心あれ実は車は停車中であります。
ストロイエという繁華街の中心部では大道芸人が毎日繰り出して場を賑わしている。こんな掛け合いで和ませてくれるのも楽しいものだ。ハーリングというニシンの酢漬け、カラッと揚げたヒラメのフライ、旨味満載のポークソテーそれにカールスバーグのビールとくれば、もう言うことありません。
公会堂の前で愛犬と佇む小父さん。ブルくん何やらカモメが気になるご様子。こんな何気ない情景に何故か目が止まってしまう。デンマークの古都ヘルシンオアのクロンボー城。シェクスピアのハムレットの舞台でも有名で世界遺産に登録さている勇壮な構えをした名城である。
クロンボー城の屋上で人目(私の視線)もはばからず抱擁し唇を交わす差し詰め現代版ハムレットとオフィーリア。
麗らかなることこの上なしといったところです。
ヘルシンオアでは路地を一本入ると中世の味わいを残す通りが現存する。それは恰もタイムスリップしたかのような錯覚をおこさせるに十分な佇まいである。
コペンハーゲンから電車で35分、スウェーデンのマルメという町に行く。ここは北欧の夏がよく似合う仄々感が漂う美しい町であった。旅も終盤、澄み切った青空の下、赤子を連れた家族が散歩している情景にモネの印象絵画を重ね合わしてみる。
少しばかり感傷的になっているようだ。

 

アンダルシア

かつてレコンキスタの名の下にイスラム勢力一掃を企て陥落させた最後の地グラナダ。悠久のアルハンブラ宮殿が古への記憶を呼び覚ます。グラナダ到着後、早速バルへ出かけビールを煽る。敬愛する写真家ウジェーヌ・アジェの世界が眼前に繰り広げられる。何かワクワクしてくる。
アルバイシンのカフェで熱きカップルに遭遇。互いの愛を確かめるように唇を重ね合わす。美しい光景ではありませんか。アルハンブラ宮殿で何やら調べものをする女性。壮大な歴史ロマンに抱かれて、ともすると寛いでいるようにも見受けられる。
大聖堂での一コマ。息を呑むようなカテドラルを仰ぎ見ることでイスラム支配からの脱却を高らかに告げた往時を偲ぶことができる。これでもかと思えるくらい豪華絢爛を尽くした大伽藍にキリスト教徒の信心の深さと美意識の高さを感じずにはいられない。 合掌
慈悲深いマリア様が見つめる中、何やら未知の世界へ吸い寄せられるように誘われる少女。その時私はそっとシャッターを切った。移ろいやすい夕暮れ時、あまりよく関係性を見いだせない二人の男が酒を酌み交わす。他人の憶測もなんのその、楽しければそれでいい。
こんな処(バルのカウンター)に牛さんがと思いきや、剥製のそれでありました。スペインは牛と共に、牛は人と伴に...。
コルドバにて
スペインの生ハムことハモンセラーノ。厳ついお兄さんから削いで貰って賞味したが凝縮された旨味が口一杯に拡がり絶品でありました。
おじさんがカメラを向けているいることも知らず何やら物憂げにスマホに目をやるカップル。昨今のデートではこれがハッピーアワーなのでしょう。クラブで吟遊詩人の如くギターを奏で唄に興じる若者。ネイティブな曲が異邦人の私の心にも深く沁み込んでくる。
ありがたきかな・・・
セビーリャからロンダへ向かう車窓からアンダルシアの大地を撮る。何処からともなくアランフェス協奏曲が脳裏にこだます。ロンダの闘牛場で小さなマタドール?に出会う。闘牛の歴史はスペイン文化の足跡と言っても過言ではない。
闘牛場の白壁でポーズをとるスペインのやんちゃ坊主君。彼もマタドールを気取っているのか、妙に凛々しいではないか。マラガで丁度フェスティバルが催されていた。それぞれのチームが唄に思いを込めて大合唱。言葉はわからないが熱い心は伝わってきた。
ヒブラルファロ城からマラガの町を見下ろす。コスタ・デル・ソルの玄関口であるマラガで、まだ2月というのに南国の陽光が出迎えてくれました。コスタ・デル・ソルで所縁のパエリャ・デ・マリスコスをいただく。シーフード盛沢山で、彩りもよく味も秀逸。大満足でありました。
マラガの落陽を拝みつつ、しばし物思いに耽る。一羽のカモメがこちらの思いを察したかのようにバッチリのタイミングでフレームに収まってくれた。フェスティバルも佳境に差し掛かって、次の催しを心待ちにする可憐な少女。マルケス・デ・ラリオス通りの電飾が一際美しく映える。
山間にポツリと開けた白い街並みのミハス。青空と勇壮な白雲のコントラストがより一層町の雰囲気を高めてくれる。こじんまりとした観光地で仕事に精を出す少年。こんなシーン、いつか古い洋画で観たような気がする・・・
自転車泥棒だったかな?
遥か眼下に開ける景色を眺めながら、二人が共有した濃密な時間に想いを馳せる。これまでも、そしてこれからも・・・グラナダへ戻り旅も終りに近づき、初めて歩いた街並みを懐かしく思いながら練り歩く。飼い主に抱かれこの上なく幸せそうなワンちゃんに出くわす。
アンダルシアといえばフラメンコ。内に秘めた情熱が一気に迸り、観る者を興奮の坩堝へ陥れる。なんと熱きことか!最終日にグラナダの夜の街を徘徊する。人々は酒を煽り、人生を語り、そして家路へ着く。みんな元気で・・・ アディオス!アンダルシア

 

ポルトガル

1a昨夜遅くリスボンに到着。金木犀の花びらが黄金色に輝く清々しい朝、今日はどんなシーンに出逢えるのだろうか、いやが上でも気分は高まる。2aベレンのジェロニモス修道院の回廊から伽藍を見上げる。荘厳な雰囲気の中に歴史の奥深さを感じさせる佇まいにしばし身を寄せ感慨に浸る。
3a欧州の観光客であろうか。ご婦人がスマホに目をやる様自体がもう既に辺りの雰囲気と同調して、ひとつの絵になっている。4aかつて隆盛を極めた大航海時代に思いを馳せたモニュメント。壮大な歴史ロマンを彷彿させるかのような大空を背景に撮影を試みた。
5aかつてお伽話の中で見たような風景がそこかしこで観られるシントラでの一コマ。あたかも桃源郷を見る思いである。6aお菓子で造ったお城のようなペーナ宮殿。鮮やかな配色で彩られはいるが決して上調子ではなく気品を備えた佇まいで風格すら感じさせる。 世界遺産
7aペーナ宮殿を見学する娘さんを偶然スナップショットしたもの。爽やかなお嬢さんと大空とが一体になって実に清々しい一枚となった。8aシントラでのシーフードリゾット。程よく火の入った肉厚の貝柱、酸味の効いたリゾットに気の利いた香辛料が散りばめられて絶品でありました。
9aシントラのレガレイラ宮殿。ペーナ宮殿同様こちらも中世の面影を如実に残している。ベタな撮影ですが、文字通り王道を行くといったところです。10a宿をとったアルファマの居酒屋でのキャンディットフォト。夜も更け、気の利いた会話を酒菜に杯を薫らすカップル。いい感じです。
11aリスボン近郊の港町でありリゾート地でもあるカスカイス。晴れ渡った青空の中を一羽のカモメが雄々しく羽ばたく。某もしや歓迎されておるのかな?12a永井博のイラストを連想させるような世界が現前にあらわれる。思わず深呼吸をして、この空気感と一体化してみたくなる。
13aリスボン出身の女流画家パウラ・レゴの美術館。ユニークな造りがひと際周囲をアカデミックな雰囲気に変えていた。 2011年プリツカー賞受賞。14a偶然にも結婚式に遭遇。大聖堂で式を挙げ、フラワーシャワーの中、熱い抱擁をかわす。まさに最高の瞬間でありました。 congratulation!
15aリスボン名物の坂道専用ケーブルカー。少女たちがおどけるさまが転げ落ちるくらい急こう配であることを物語っている。16aリスボンの繁華街バイシャ。陽が沈み灯りがともされ辺りは昼間とは一変してほの暖かい雰囲気に包まれる。さあワインでもいただこうか・・・
17a近郊の町オビドス。 かつて城塞都市として繁栄した町が今では手頃な観光地と化している。独特の愛らしいカラーリングも人気の一つか。18aオビドスの小径を彩る花々が白い家並みに点在していて良いアクセントになっている。ここに住まう人たちの人柄を垣間見るようだ。
19aここではワンちゃんまでもがトータルコーディネートしているかように見事にマッチしている。
正直初めは置物かと思っていた。これは失敬
20a暑いさなか、ご当地ドラフトビールを注文する。今から私の喉を潤してくれるであろう、この神々しいまでの姿を呈したビールに敬意を表してシャッターを切る。
21a1755年地震と津波で6万人の命が失われたアルファマの町。苦難を乗り越え見事に復興を遂げた先人の労苦は察するに余りある。それだけに一層美しい。22a欧州最大級の水族館で水槽に向って物思いに耽る少年。それを温かく見守るマンボウ君。そんな風に見て取れるユーモラスな光景だ。
23aリスボン最後の夜はファドでしばし感傷に浸る。内に秘めた情熱を静かに迸らせながらギターのしらべと伴に熱唱が繰り広げられる。24a深夜のリスボンで人々は何をするでもなく語り明かす。生かされている今を、そして人生を謳歌するために・・・ アデウス

 

アイルランド

a13冬のアイルランド行きを敢行。当地空港着陸時には、いつものことながら期待と不安が交錯し普段では沸いてこないような感情が込み上げてくる。a17ホテルにチェックインして早速辺りを散策する。生憎の雨だったが濡れた路面にネオンが反映して幻想的ですらあった。
a18テンプル・バーはダブリン市民にとっては憩いの場である。私もアイリッシュを気取ってギネスビールを煽る。 キューッ美味い!a19一夜明けて清々しい朝がお出迎え。さぁ今日は何処を観て回ろうか・・・
子供のようにワクワクしている自分がいる。
a16下町を歩いているとセンスのいい色使いに思わず目を奪われる。赤と緑の配色が憎いくらいマッチした通りとなっていた。a23オコンネル通りで見かけた一コマ。老女の杖と銅像のステッキとが偶然パラレルをなしていて、とても面白い。
a24重く垂れこめた雲、斜めに差し込む日差し、それに映える二羽の海鳥そして異常に速い川の流れ。まるでフォービズムの絵画を観るようだ。a2夕景のキーストリートを巡る。綺麗に電飾された店の前で無心をする男に浄財を渡す若者。慈悲の何たるかを垣間見たような気がする。
a20ゴールウェイといえば牡蠣という振れ込みだったので早速賞味してみる。期待に違わず磯の風味が香る野趣溢れる味わいであった。a25ここのバーはダブリンの喧騒とは一線を画した地方都市特有のゆったりした佇まいで個人的にはストライクでありました。
a3レンタカーでドライブの最中のキンバラという所でのひとコマ。鏡のような静寂を湛えた水面とそこに映り込む雲一つない青空。時が止まったかのようだ。a1かの有名なモハーの断崖。雄大、勇壮、壮観と形容に能う言葉は数あれど筆舌に尽くし難きとはこのことか。
a9あたかもアクリル絵の具で彩色したかのようなカラフルな夕景の街並みで行き交う人たちをしばし路上観察してみる。なかなか風情があって興味深い。a12一日の仕事を終え、見目麗しき女性が精算をしているところを何気にスナップショットしてしまいました。失礼とあらばお許し願いたい。
a8WOODEN HEARTとは物憂げな気持ちと訳せる。少し自虐めいたネーミングのお店ゆえに逆に入ってみたい好奇心に駆られる。a4鉛色の雲が空を覆い尽そうとしている中、光明が差し込む。禍々しさが漂う天空に一羽の鳥が吉兆を携えて羽ばたく。
a14オーマイゴッド!と思わず声を上げそうな写真ですが、その実とある革命家が熱弁を揮うブロンズなのでありますが、そんなことカモメさんはお構いなしです。a10ケルトの聖地タラの丘。アイリッシュの心・望郷に敬意を表してシンボリックな雲を配して撮影をしてみた。
a15ダブリンのレストラン脇での一コマで休憩での一服といったところか。熟成肉と佇む男の不思議な取り合わせがキャンディットなだけに何処となく哀愁が漂う。a5テンプルバーでたまたま居合わせた中での撮影で、まるで映画のワンシーン(意味ありげな)のような写真となりました。
a6北アイルランドのジャイアント・コーズウェイという名の奇岩。地質学的には柱状節理というそうだ。それにしても不思議な形状だし壮観である。a11斜陽に映し出されたダンルースという古城。 古えの時代に思いを馳せ、しばし感傷に浸る。兵どもが夢のあとといったところか・・・
a21ブッシュミルズという世界最古の蒸留所を訪ねる。古い煉瓦造りの建物と遠くに見える月とに熟成された歴史の奥深さを実感する。a7通いなれた?テンプルバーの往来をホテルの窓から眺める。旅も終わる頃になると何気ない情景にも、ついシンパシーを感じてしまう。

 

フィンランド

h1北欧の一国フィンランド。あまり馴染みのないイメージがあるが、プロダクツなどの文化の面で意外と親交は深い。まずはヘルシンキ大聖堂へ赴く。h2カンピ礼拝堂において敬虔で静謐な雰囲気に浸る。辺りに立ちこめる静寂の中で何も求めることなく唯ひたすら手を合わせる。
h3エスプラナーディ公園で夢中になってシャボン玉を追いかける子供たち。手が届きそうで思うに任せない虹色の泡沫に何を思うか・・・h4噴水公園のアマンダ像に雲間から閃光の如く陽光が差し込む。辺りの状況と相まって神々しいまでにドラマチックな様相を呈している。
h5とある公園で遊技にいそしむ兄弟と思しき子供二人。ボールをなかなか廻してくれない兄にいら立ちを覚える弟の様が面白い。h6かつて要塞基地であったスオメリンナ島。周囲の国からの責め苦を味わった地に重く立ち込める黒い雲がブラマンクの絵画を連想させ象徴的であった。
h7この国の著名なデザイナーアルバーアアルトのワークショップで熱心に筆を動かす少女。何にも捉われない心が本物の美を生み出す。h8ラヴィントラ・ツェトルでトナカイの煮込みをいただく。肉の旨味が口いっぱいに拡がり芳醇な味わいであった。因みにカリブーの家畜化をトナカイというらしい。
h9敬愛するアキ・カウリスマキ監督の映画レニングラード・カウボーイズをイメージしたレストランで、映画のワンシーンのような一コマに出くわす。h10隣国エストニアへ行くフェリー洋上での風景。印象的な雲が棚引く空がお出迎えといったところか・・・。数多の金髪が風になびいている。
h11あたかもケーキの上に乗っかっているかのようなお家が並ぶ広場のテラスで甘く愛を語り合う?二人。あまりにも嵌まり過ぎてはいませんか。h12世界遺産にも指定されているエストニアの古都タリン。いつか夢で見たイデアの国と言っては甚だ大袈裟か。それにしても美しい・・・
h13己がアイデンティティーを心と体に文字通り刻み込む。“愛こそすべて” 蓋し同感であります。h14十数年前、日本で上映された「かもめ食堂」。そのロケ地は映画と同じく何の変哲もないホッコリしたところでありました。
h15オキシトシンなる愛情ホルモンの加護のもとに完全なる無防備でスヤスヤと眠る幼気なベイビー。周り諄い言い回しでスミマセン。h16フィンランドの森。分け入っても、分け入っても青い山。かの地で何も山頭火でもあるまいと思いつつも森はどこまでも盛沢山であった。
h17ヘルシンキ郊外の小都市ハメーリンナ。森と泉に囲まれて静かに佇む。何処かで聴いたことのあるフレーズがピッタリの町なのでありました。h18城内のお堂での一コマ。シャッターを切る直前フィンランドの童が眼前を駆け抜ける。元い、こちらでは妖精といった方が相応しいのかもしれない。
h19古格を帯びた聖母子像のレリーフ。見ようによっては東洋のマンダラにも通ずるものが見てとれる。有難きイコンに合掌h20ヌーベルバーグの映画のワンシーンのような光景に遭遇する。アンニュイな彼女の姿が写り込むガラス戸に向けてシャッターを切った1枚です。
h21昨今何処でもスマホと睨めっこしている様子を見よく目にする。帰郷するのだろうフィンランドの若い兵隊さんも何やら夢中のようであります。h22北欧、全てがブリーチしたような淡い色彩で染めこまれたイメージを持ちがちだが、その実は意外にも雄渾で堅牢な美意識の基に成り立っている。
h23サマータイムの一日のほとんどが昼間のようなフィンランド。海岸線のコリドー(回廊)を吹き抜ける風も穏やかで心地良い。これって山下達郎の世界?h24大聖堂の賢人が我々下々の者へ御触れを指し示しているかのような光景に荘厳かつ厳粛さを観て取る。欧州の歴史の奥深さを感じずにはおれない。

 

 

 

 

 

 

 

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